花四段といっしょ』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

舞台は将棋界。主人公は女流棋士の「花四段」。本作は彼女の対局を中心に据えるのではなく、むしろ対局の合間に展開される日常を丁寧に切り取っていく。将棋盤を挟んだ真剣勝負の緊張感よりも、棋士たちの何気ない会話や、ふとした表情の変化に焦点を当てた構成だ。駒の動きを知らなくても、彼女たちの関係性や空気感がするりと伝わってくる。

増村十七が選んだのは、将棋という題材を「専門性の壁」で囲わない描き方である。対局シーンを圧縮し、代わりに控室での雑談や移動中のやりとりを膨らませることで、女性誌らしい親密な距離感を作り上げている。『このマンガがすごい!2023』オンナ編で12位に入ったのも、将棋漫画としての評価というより、人間関係を丹念に描くスライス・オブ・ライフとしての完成度が支持された結果だろう。Sonorama+という媒体の特性も生かし、淡々としたコマ運びの中に笑いと温度を滑り込ませる手腕が光る。既刊6巻を重ねた今も、作品の空気は柔らかく、それでいてブレない。

将棋を知らなくても、この世界には入れます。むしろ知らないほうが、この作品の本質に気づきやすいかもしれません。

まだ読んでいないあなたへ

将棋のルール、知らなくていいんです。

この漫画が描くのは、プロ棋士の「対局」じゃなくて「生活」なんですよ。花四段という女性棋士が、将棋を指す場面より圧倒的に多く登場するのは、スーパーで値引きシールを探す姿だったり、ご飯を作って食べる姿だったり、ふと立ち止まって空を見上げる瞬間だったりする。プロなのに、驚くほど等身大なんです。

将棋漫画なのに、盤上の攻防より心が動くのが不思議でしょう? でもこれ、実は逆なんです。彼女の日常を追っていくうちに、プロ棋士という生き方の重さが、静かに、でも確実に伝わってくる。一局に人生を懸ける人間が、対局のない日にどんな顔で過ごしているのか。その「間」にこそ、プロとして生きる覚悟が滲み出てるんです。

増村十七が描く線は柔らかくて、でも妙にリアルで。花四段の表情ひとつひとつが、説明なしで心情を語ってくる。淡々とした日々の積み重ねが、読み終わったあとジワジワ効いてくるタイプの作品なんですよ。

『このマンガがすごい!2023』オンナ編12位。既刊6巻。将棋を知らない人ほど、新鮮に響くかもしれません。

巻一覧(発売順)

よくある質問

『花四段といっしょ』は全何巻?

現在6巻まで刊行中です。