竹光侍』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

次巻発売情報

このシリーズは完結済みです

この作品について

江戸時代、腕は確かだが人を斬れない浪人・瀬能数馬が、竹光という木刀一本で市井を渡り歩く。名を売ろうとするでもなく、剣の道を極めるでもなく、ただ日々の小銭を稼ぐために用心棒稼業に身を置く。華々しい剣戟も、痛快な立ち回りもない。あるのは、喰うために生きる男の淡々とした日常だ。

原作・永福一成、作画・松本大洋という異色のタッグが挑んだ時代劇である。松本大洋といえば『ピンポン』や『鉄コン筋クリート』で知られる画風の持ち主だが、本作ではその線が江戸の空気と驚くほど馴染んでいる。墨の濃淡で描かれる市井の風景、人物の表情に宿る諦念と僅かな矜持。時代劇というジャンルにおいて「剣」は通常、物語を駆動する装置として機能するが、ここでは逆に「剣で喰えない男」を描くことで、侍という存在の虚実を浮かび上がらせる。第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した本作は、ビッグコミックスピリッツ連載時から静かな評価を集め続けた。既刊8巻、時代劇の新たな手触りがここにあります。

まだ読んでいないあなたへ

文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。

この受賞が意味するものを、あなたは『竹光侍』の1ページ目で理解することになるんです。松本大洋が描く江戸の街は、どこか歪んでいて、どこか美しくて、見たことのない「時代劇」なんですよ。建物は傾き、人の輪郭は溶け、雨粒一つ一つが意思を持っているかのように紙面を踊る。でもその画面の奥に、確かに人が生きている。

主人公は浪人侍。竹でできた刀を差して、本物の刀を持たない。なぜ彼が竹光なのか。なぜ彼はそれでも侍として生きるのか。その答えは、既刊8巻をかけてじっくりと、しかし決して説明的にならずに積み上げられていくんです。

脚本は永福一成。この人が紡ぐ会話と間が、また独特なんですよ。侍たちは饒舌に語らない。むしろ沈黙する。その沈黙の重さを、松本大洋の絵が受け止めて、ページをめくる手が自然と遅くなる。一コマ一コマが、息をするように意味を持っている。

「ビッグコミックスピリッツ」で2015年から2019年まで連載された本作は、時代劇という枠に収まらない何かなんです。江戸を舞台にしながら、そこで描かれるのは普遍的な人間の葛藤。刀を持つとは何か。侍であるとは何か。生きるとは何か。

松本大洋のアートワークを体験したことがある人なら、この作品でその表現がさらに深化していることに驚くはずです。体験したことがない人なら、ここから入ってください。これは「読む」漫画じゃない。「浴びる」漫画なんです。

巻一覧(発売順)

よくある質問

『竹光侍』は全何巻?

全8巻で完結済みです。