『浄土るる短編集 地獄色』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
次巻発売情報
このシリーズは完結済みです
この作品について
日常の表層を一枚剥がせば、そこには誰もが抱える欲望と孤独が蠢いている。『浄土るる短編集 地獄色』は、平凡な日々を生きる女性たちの内面に潜む感情の濁流を、一話完結の短編形式で描き出す作品だ。職場での人間関係、恋愛の躓き、家族との軋轢——表面上は穏やかに見える彼女たちの日常が、ページをめくるごとに別の相貌を現していく。
高野優は、女性読者から根強い支持を集める作家である。本作でも彼女が得意とする「言葉にならない感情の可視化」が存分に発揮されている。登場人物たちは声高に叫ばない。けれど、その沈黙の向こうにある怒りや諦念、あるいは執着が、コマ割りと表情の機微によって確実に読者へ届けられる。日常系でありながら、決して甘くない。むしろ、誰にでも覚えのある感情の「痛み」を正確に抉り出すからこそ、読後に残る余韻は重い。既刊4巻という短編集の形式が、この濃密さを支えている。
人は誰しも、他人には見せない「地獄色」を持っている。この作品は、その色を認めることの苦さと、それでも生きていく強さを静かに提示してくれます。
まだ読んでいないあなたへ
既刊4巻。
タイトルに「地獄色」とあるけれど、これは誰かを傷つける地獄じゃないんです。
浄土るるという作家が描くのは、私たちが見て見ぬふりをしている日常の裂け目なんですよ。朝起きて、仕事して、人と関わって、夜眠る。その繰り返しの中で、言えなかった本音、飲み込んだ感情、なかったことにした違和感。そういうものが少しずつ積もっていって、ある日突然「これ、私の人生なの?」って立ち止まる瞬間がある。この短編集は、そんな瞬間を切り取った作品なんです。
女性が主人公の物語が中心で、恋愛も、仕事も、友情も、家族も出てきます。でもどれも「よくある話」じゃ終わらない。なぜなら浄土るるは、綺麗事を一切書かないから。人間関係の中で生まれる感情の澱み、本音と建前の隙間、誰にも言えない欲望。そういう「言語化しづらいけど確かにある何か」を、驚くほど正確に掬い上げてくるんです。
短編だからこそ、一話ごとに違う角度から人間を見せてくれる。読み終わったあと、自分の中にある似たような感情に気づいて、ちょっとドキッとする。そんな体験ができる作品です。
綺麗な嘘より、不格好な本音。この作品集が描くのは、そっち側の色なんですよ。
巻一覧(発売順)
よくある質問
『浄土るる短編集 地獄色』は全何巻?
全4巻で完結済みです。