『放浪息子』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
次巻発売情報
このシリーズは完結済みです
この作品について
女の子になりたいと願う少年・二鳥修一と、男の子になりたいと願う少女・高槻よしのを中心に、思春期の揺れ動く心が交錯する。小学校高学年から中学、高校へと進む中で、二人は互いの服を交換し、自分の性別に違和感を抱きながら成長していく。家族との関係、クラスメイトたちとの距離感、そして自分自身との対峙。誰もが通過する思春期という時間の中で、彼らはより切実な問いを抱えている……。
志村貴子は『青い花』でも繊細な感情の機微を描いてきた作家だが、本作はトランスジェンダーという題材を正面から扱い、2002年の連載開始当時としては極めて先駆的だった。しかし本作の本質は、ジェンダーをテーマにした作品である以前に、思春期という時期の不安定さ、自己認識の揺らぎを真摯に見つめた青春群像劇です。淡い水彩のようなタッチで描かれる日常の中に、少年少女たちの痛みと希望が静かに滲み出る。文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞し、アニメ化・映画化を経て、英語版も刊行された本作は、国内外で高い評価を得ている。
既刊15巻。性別という枠組みの中で自分を探し続ける少年少女の物語を、これほど誠実に描いた作品はない。彼らの足取りを、最後まで見届けてほしい。
まだ読んでいないあなたへ
二鳥修一は、女の子の服を着たい小学生なんです。
「男なのに」とか「おかしい」とか、そういう言葉で片付けられない何かが、修一の中にはある。女の子になりたいわけじゃない、でも男の子でいることにも違和感がある。この曖昧で、誰にも説明できない感覚を、志村貴子は一切の説教臭さなしに、ただ丁寧に描き続けるんです。
文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞したこの作品、読んでいて何より驚くのは、その優しい眼差しなんですよ。修一の周りには、彼を理解しようとする友人も、傷つける同級生も、戸惑う家族もいる。でも誰一人として、記号的な悪役として描かれていない。みんなが不器用で、みんなが自分の問題を抱えていて、それでも少しずつ歩いている。
小学生から中学、高校へと続く思春期の日々。修一が何かを決断するわけでも、劇的な事件が起こるわけでもない。ただ季節が過ぎ、制服が変わり、声が低くなっていく。その静かな時間の積み重ねの中で、読者は気づくんです。「自分らしさ」を探す旅に、正解なんてないことに。
既刊15巻、アニメ化も映画化もされた本作は、海外でも高く評価されています。性別違和を扱いながら、これほど穏やかで、これほど誠実な物語を、私は他に知りません。修一の迷いは、形を変えれば誰もが経験する「自分って何だろう」という問いそのものなんです。
読み終わったとき、あなたは誰かにもう少し優しくなれると思います。
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よくある質問
『放浪息子』は全何巻?
全15巻で完結済みです。