『働かないふたり』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
実家で暮らす石井守と妹の春子、そろいもそろって働かない。兄は30歳を過ぎ、妹も20代後半。二人とも定職に就かず、親の家で気ままに過ごす日々。散歩、雑談、ときどき思いつきで何かをしてみる。特別な事件も起きず、劇的な変化もない。ただ淡々と、無為な日常が流れていく……。
吉田聡が「くらげバンチ」で連載する本作は、第1回くらげバンチ漫画大賞を受賞し、2015年にはアニメ化、翌年には実写映画化まで果たした人気作です。既刊36巻を数える長期連載でありながら、読者を引っ張るドラマもなければ、成長を描くストーリーもない。この作品が巧みなのは、働かない二人を「問題」として描かないことだ。社会規範からは外れているはずの兄妹を、善悪の判断から切り離し、ただ「そこにいる人々」として提示する。だからこそ読者は、彼らを責める気にも、応援する気にもならず、ただ眺めることになる。無為であることの肯定でも批判でもなく、それをそのまま差し出す姿勢が、この作品を唯一無二の立ち位置に置いています。
何も起こらない日常を36巻も続けられる作家は、そうはいない。働くことに疲れた夜にも、何もしたくない休日にも、この兄妹は変わらずそこにいます。
まだ読んでいないあなたへ
36巻。
この数字が全てを物語っているんです。
働かない兄と妹が家にいる。ただそれだけの設定で、どうして10年以上も読者を惹きつけ続けられるのか。答えは簡単で、この作品が「ニート」を笑いものにしていないからなんですよ。むしろ徹底的に観察している。朝起きて、何もせず、何かを食べて、また寝る。そのサイクルの中に潜む微細な心の動き、言い訳の構造、プライドと諦めのせめぎ合い。それを冷徹なまでに、でも愛情を持って描き出すんです。
笑えるんです、確かに。でも笑った後に胸がチクリとする。「あ、これ自分じゃん」って瞬間が必ずある。働いている人でも、何かから逃げたくなる瞬間、動きたくない日、誰にでもあるでしょう。この兄妹は、私たちが押し殺している怠惰な部分を全開で生きているんです。
くらげバンチ漫画大賞を受賞し、アニメ化も実写映画化もされた。それでも連載は続いている。なぜなら、この兄妹の日常には終わりがないから。そして私たちの中の「働きたくない気持ち」にも終わりがないから。
一話読めば、もう一話。気づけば一冊読み終えている。そういう中毒性があるんです。罪悪感なく怠惰に浸れる、稀有な作品なんですよ。
巻一覧(発売順)
よくある質問
『働かないふたり』は全何巻?
現在36巻まで刊行中です。