フイチン再見』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

終戦直後の上海。日本人少女マリ子は、貧困のどん底で死にかけていた。そこに現れた中国人女性フイチンは、マリ子を救い、漫画を描くことを教える。やがてフイチンと別れ、日本に引き揚げたマリ子は、漫画家・上田としこという名で少女漫画の世界に飛び込んでいく。焼け跡から立ち上がる東京で、彼女は命の恩人から受け取った「絵を描く力」を頼りに、漫画家としての道を歩み始める。

『JIN-仁-』で幕末の医療と人間ドラマを描いた村上もとかが、今度は戦後復興期の漫画史に光を当てた。本作のモデルは、少女漫画の礎を築いた実在の漫画家・上田としこだ。手塚治虫が「神様」と呼ばれる以前から活躍し、やがて時代の流れに埋もれていった女性漫画家たちの姿を、村上は丁寧に掘り起こしていく。ビッグコミックオリジナル誌で連載され、第43回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞したこの作品は、「漫画を描くこと」そのものへの愛と敬意に満ちている。戦後の混乱、出版業界の勃興、少女漫画というジャンルの誕生。その現場にいた女性たちの孤独と情熱を、村上は淡々と、しかし確かな筆致で描き出す。

漫画の歴史を知りたいなら、教科書ではなく、この物語を読むべきです。

まだ読んでいないあなたへ

戦後の焼け跡で、一人の女が立ち上がろうとしている。

『JIN-仁-』の村上もとかが描くのは、実在の女性漫画家・上田としこの人生なんです。昭和20年代、女が職業を持つだけで白い目で見られた時代に、彼女はペン一本で道を切り拓こうとしました。食べるものもない。仕事なんてない。それでも描く、描き続ける。その執念がどこから来るのか、ページをめくるたびに胸が詰まります。

この作品、とにかく「空気」が濃いんですよ。配給の列、闇市の喧騒、復員兵の疲れた目、焼け残った街角で必死に明日を探す人々の息づかい。村上もとかの筆が捉えているのは「歴史」じゃなくて、そこで確かに生きていた人間の体温です。

上田としこは才能だけで成功したわけじゃありません。編集者に門前払いされ、原稿料を踏み倒され、それでも諦めなかった。女だからと見下され、仕事を奪われ、それでもペンを置かなかった。彼女の背中には、同じように這い上がろうとした無数の女性たちの姿が重なります。

既刊8巻、日本漫画家協会賞優秀賞受賞。一つの時代と、一人の人間の尊厳をこれほど誠実に描いた作品を、あなたはまだ手に取っていないんですか。

巻一覧(発売順)

よくある質問

『フイチン再見』は全何巻?

現在8巻まで刊行中です。