ヒストリエ』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

紀元前、マケドニア。奴隷として売られた少年エウメネスは、類稀な知性と観察眼を武器に、やがて歴史の渦中へと身を投じていく。彼が仕えることになるのは、後に「大王」と呼ばれる若き日のアレクサンドロス――。古代世界を舞台に、一人の書記官の運命が幕を開ける。

『寄生獣』で生物と人間の境界を問うた岩明均が、今度は「知性」そのものを主題に据えた。アフタヌーン連載、既刊12巻。2003年の連載開始以来、圧倒的な画力と綿密な時代考証で読者を魅了し続け、第16回手塚治虫文化賞大賞を受賞した。この作品が傑出しているのは、戦闘描写の迫力もさることながら、エウメネスの「思考」を可視化する手腕にある。情報を集め、状況を分析し、最善手を導き出す――その過程を、説明臭さを排してスリリングに見せる技術は、岩明作品ならではだ。歴史上の人物でありながら記録の少ないエウメネスという題材を選んだことで、作者は自由度を得つつ、史実との緊張感を保っている。

古代史の知識は不要です。ただ、知略が運命を切り拓く瞬間を目撃したいなら、この作品を開くべきでしょう。

まだ読んでいないあなたへ

『寄生獣』の岩明均が16年以上かけて描き続けている作品なんです。

既刊12巻。

なぜこれほど時間をかけているのか。答えは圧倒的な密度にあります。この漫画、紀元前4世紀の地中海世界を舞台に、アレキサンドロス大王に仕えた書記官の半生を描いているんですが、一コマ一コマに膨大な歴史考証が詰め込まれている。建物の様式、武器の形状、人々の服装、会話の機微。全てが「そこに確かに存在した世界」として立ち上がってくるんです。

主人公は奴隷の身でありながら、誰よりも鋭い知略の持ち主。彼が戦場で、宮廷で、市井で織りなす駆け引きは、まるで精密な将棋を観戦しているかのよう。一手の意味が三手先に響き、読み返すたび新しい仕掛けに気づく。手塚治虫文化賞大賞を受賞したのも納得の構成力なんです。

そしてこの作品、ただの歴史再現じゃない。友を信じることの危うさ、裏切りの痛み、戦争が人間に強いる選択──そういう普遍的な問いが、2000年前の物語を通して、今を生きる私たちの胸に突き刺さってくる。

岩明均が時間をかけるのには理由がある。この密度でなければ描けない世界があるんです。一度手に取ってみてください。読むスピードが自然と遅くなります。それは退屈だからじゃない。一ページの情報量が濃すぎて、急いで読むのがもったいなくなるからなんですよ。

巻一覧(発売順)

よくある質問

『ヒストリエ』は全何巻?

現在12巻まで刊行中です。