『わにとかげぎす』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
次巻発売情報
このシリーズは完結済みです
この作品について
古谷実が『ヒミズ』『行け!稲中卓球部』に続いて『ヤングマガジン』で連載した本作は、孤独を抱えた人間たちの交錯を描く。主人公の日常に他者が入り込み、関係性が少しずつ変容していく。何も起きないようで、確実に何かが動いている……。
古谷実という作家は、一貫して人間の内面に潜む不穏さと滑稽さを同時に描き出してきた。本作もその系譜にありながら、過去作と比べて静謐なトーンが支配的です。登場人物たちは激しく感情を爆発させるのではなく、むしろ言葉にならない感情を抱えたまま日常を生きる。その描写は心理劇として優れており、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した理由もそこにあるでしょう。セリフの間、表情の微細な変化、何気ない所作——それらが積み重なって、読者は登場人物の内面を否応なく理解させられます。古谷作品特有の「笑えるのに笑えない」感覚は健在ですが、本作ではそれが人間関係の機微として昇華されている。
既刊4巻という長さで完結した物語ですが、その密度は濃い。2018年にはアニメ化と実写映画化が同時に行われ、海外でも英訳版が出版されました。古谷実の作家性を知るには最適な一作です。
まだ読んでいないあなたへ
古谷実が、人間の孤独を笑うでも泣くでもない角度から切り取った、既刊4巻の傑作なんです。
「稲中卓球部」「ヒミズ」の作者が描いたのは、誰の人生にもある「どうにもならない」感覚でした。変わりたいけど変われない、つながりたいけどつながれない、そんな人間が日常のなかでもがく姿を、古谷実は笑いにもドラマにも回収しきれない生々しさで描き出すんです。
コメディなのに笑えない瞬間がある。ドラマなのに感動で片付けられない。この作品が持つ独特の「居心地の悪さ」こそが、読む者の心をざわつかせて離さない理由なんですよ。文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を獲ったのも、アニメ化・実写映画化されたのも、この作品が「誰かの人生」として響いたからに他なりません。
孤独と人間関係、運命と自己成長。テーマだけ並べれば重たそうに見えるけれど、古谷実が描くのは説教でも人生訓でもない。ただ「こういう人間、いるよね」という共感と戸惑いが同時に押し寄せてくる、あの感覚です。
海外でも「The Lizard and the Crocodile」として翻訳され、アジア圏で特に支持を集めました。言葉や文化を超えて、人間の本質的な孤独は変わらないんですよね。
たった4巻に詰まった、誰にも似ていない人間の物語。読後、自分の日常がほんの少し違って見えるはずです。
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よくある質問
『わにとかげぎす』は全何巻?
全4巻で完結済みです。