『めしばな刑事タチバナ』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
警視庁捜査一課の立花刑事が事件を追うのか——否。彼が追うのは容疑者ではなく、食の話題だ。捜査会議中も張り込み中も、立花の頭にあるのは「正しいカレーの食べ方」「コンビニおにぎりの進化」「ラーメンの麺とスープの黄金比」。職場でひたすら"めしばな"を繰り広げる刑事たちの日常を描く、異色の食エッセイ漫画である。事件は起きない。推理もしない。ただ、食について語る……。
「アサヒ芸能」という週刊誌を舞台に2008年から連載を続け、既刊58巻という驚異的な積み重ねを誇る本作は、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。刑事ドラマの体裁を借りながら、実際には立花と同僚たちが日々の食体験を語り合うだけ——この一見地味な構造が、逆に作品の強度を生んでいる。食をめぐる雑談は、誰もが持つ記憶や好みと結びつき、読者は自分の食卓を思い出さずにいられない。坂戸左衛門は食文化をテーマにした作品を多く手がけてきたが、本作はその代表作として映画化・アニメ化を果たし、海外でも翻訳版が出版された。
事件を解決しない刑事の話が、なぜこれほど続くのか。答えは読めばわかります。食について語ることは、生きることそのものだからです。
まだ読んでいないあなたへ
既刊58巻。
刑事ドラマかと思ったら、事件なんてほぼ解決しないんです。この漫画で刑事たちがやってるのは、ひたすら「めしばな」。カツ丼の玉ねぎは甘い派か辛い派か、立ち食いそばで紅生姜を入れるタイミング、コンビニおにぎりの海苔問題——そんな話を、マジの顔で何十ページも繰り広げてるんですよ。
主人公のタチバナ刑事が語り出すと止まらない。彼が食にかける情熱は異常で、事件現場に向かう途中でも「この交差点の角のラーメン屋は……」と始まる。同僚たちも最初は呆れてるのに、気づけば全員が目を輝かせて食談義に没頭してる。この"巻き込まれ感"が堪らないんです。
文化庁メディア芸術祭で優秀賞を獲ってるのには理由があって、描かれてるのは「食べ物」じゃなく「食べる人間」なんですよね。誰もが一度は考えたことある些細なこだわりを、ここまで真剣に、ここまで掘り下げる。読んでると「わかる!」って膝を打つ瞬間と「そこまで考えたことなかった……」って唸る瞬間が交互にくる。
推理も銃撃戦もカーチェイスもない。あるのは、人間の"食"に対する飽くなき探究心だけ。なのに58巻まで続いてるって、それ自体がこの作品の説得力なんです。
一度読んだら、コンビニに寄るたびタチバナの声が聞こえてきますよ。
巻一覧(発売順)
よくある質問
『めしばな刑事タチバナ』は全何巻?
現在58巻まで刊行中です。