この世界の片隅に』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

次巻発売情報

このシリーズは完結済みです

この作品について

昭和19年、広島県呉に嫁いだ18歳のすずの日々。配給の食材を工夫して食卓を整え、空襲警報が鳴れば防空壕へ駆け込み、また日常へ戻る。戦時下の暮らしは不便と不安に満ちているが、すずは絵を描き、笑い、家族と共に「普通」を積み重ねてゆく。やがて空襲は激しさを増し、彼女の日常は少しずつ、しかし確実に削り取られてゆく……。

こうの史代は『夕凪の街 桜の国』で原爆の記憶を静謐に描き、広島を舞台にした作品で独自の地位を築いた作家だ。本作でも戦争を背景としながら、その視線は銃後の「生活」へ向けられる。空襲や物資不足といった非常事態を、すずという一人の女性の目を通して淡々と、しかし丁寧に描くことで、戦争が日常をどう侵食していくかが浮かび上がる。戦時下という極限状況であっても人は笑い、悩み、工夫し、生きる。その当たり前の営みを肯定する筆致は、悲劇を悲劇として描くだけでなく、人間の尊厳そのものを静かに讃えています。

文化庁メディア芸術祭優秀賞、アニメ映画化、実写映画化と、この作品が多くの人々の心を捉えたのは、戦争を「遠い歴史」ではなく「誰かの日常」として描いたからでしょう。既刊3巻、この物語が辿り着く場所をぜひその目で確かめてください。

まだ読んでいないあなたへ

戦争を、こんなふうに描いた作品があったでしょうか。

広島県呉市に嫁いだ一人の女性、すずさんの日常を淡々と追っていくんです。配給が減ってどうやって食卓を工夫するか。義理の姉とどう距離を詰めるか。防空壕に逃げ込むたびに、明日も同じ景色が見られるだろうかと思う、その繰り返し。爆撃も空襲警報も、この作品では「毎日が続いていく中で起きること」として描かれるんです。

だからこそ、ページをめくる手が震えるんです。すずさんが大根の皮を剥いている場面で、次の瞬間に何が起きるか分からない緊張感。笑っている場面で、いつこの笑顔が消えるのかと怖くなる感覚。歴史で習った「あの日」に向かって、一日一日が積み重なっていく怖さを、これほど生々しく感じた作品はありません。

こうの史代さんの線は、強く主張しません。柔らかく、優しく、ときに頼りなげに人物を描くんです。でもその線が、戦時下でも懸命に「普通」を守ろうとする人々の姿を、痛いほど鮮明に伝えてくる。この繊細さが、文化庁メディア芸術祭優秀賞をはじめ国内外で評価され、アニメ化・実写映画化された理由なんです。

「戦争の悲惨さを伝える作品」ではないんです。「日常がどれほど尊いか」を、静かに、でも圧倒的な強さで教えてくれる物語。すずさんと一緒に歩いた既刊3巻が、あなたの中で一生消えない記憶になります。

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よくある質問

『この世界の片隅に』は全何巻?

全3巻で完結済みです。