『ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
東京・銀座に突如として「門(ゲート)」が出現し、そこから中世ファンタジー世界の軍勢が侵攻してくる。初動対応で民間人に多数の犠牲を出すも、自衛隊は圧倒的な近代兵器で敵を撃退。日本政府は門の向こう側を「特地」と呼び、自衛隊による本格的な調査・駐留を開始する。オタク趣味の自衛官・伊丹耀司は、偶然にも銀座事件で民間人を救った功績を買われ、特地派遣部隊の一員として異世界へ赴くことになるのだが……。
本作は柳内たくも原作の小説を竿尾悟が漫画化したもので、いわゆる「自衛隊 vs ファンタジー世界」という設定を徹底的にシミュレートした点が最大の特徴だ。類似の異世界転移ものは数多いが、『ゲート』が際立つのは、自衛隊の組織としてのリアリティと、異世界側の文化・政治構造を両立させた描写にある。戦闘では一方的な近代兵器の優位を見せつけつつ、占領統治や外交交渉、国内世論といった要素を丁寧に描くことで、単なる無双ものに終わらない奥行きを持たせている。エルフや竜といったファンタジー要素と、法的根拠や国会答弁といった現実的要素が違和感なく同居するバランス感覚は、他作品の追随を許さない。竿尾の作画は戦闘シーンの迫力もさることながら、異世界の風景や登場人物の表情を丁寧に描き分け、世界観の説得力を支えています。
硬派なミリタリー要素と異世界ファンタジーの融合という、本来相容れない組み合わせを高次元で成立させた傑作です。既存の異世界ものに物足りなさを感じている方にこそ、手に取っていただきたい一作です。