『穴殺人』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
深夜、都心のマンションで発見された他殺死体。被害者の胸には不可解な穴が開いている。しかも殺害現場は密室だった。捜査一課の刑事・柊は、被害者が生前「誰かに穴を開けられている」と口にしていたという証言を得る。やがて第二、第三の被害者が現れ、いずれも身体に謎の穴が残されていた。犯人は誰なのか。そして「穴」とは一体何を意味するのか……。
著者の カネコアツシは『SOIL』や『BAMBI』といったホラー漫画で高い評価を受けてきた作家だが、本作では純然たるミステリーとして構成されている点が新機軸だ。ホラー特有の不条理さは残しつつ、論理的な推理を成立させるバランス感覚が巧みである。緻密に張られた伏線、読者を欺く叙述トリック、そして中盤で明かされる真相の衝撃——いずれもミステリーの王道を押さえながら、カネコ作品ならではの不穏な空気が全編を覆っている。特に「穴」という抽象的なモチーフを物語の核に据えることで、物理的な殺人事件でありながら、人間の内面の欠落をも描き出す構造になっています。
ミステリー好きにもホラー愛好家にも刺さる傑作です。一読すれば、タイトルの意味が腑に落ちる瞬間が訪れます。