『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
舞台は1980年代、パソコンがまだ一般家庭に普及し始めたばかりの日本。主人公の女子中学生・鈴木八百子は、プログラミングに興味を持ち、当時最先端だったマイコンの世界に足を踏み入れる。だが彼女の目的はゲーム作りでも技術の習得でもない。コンピュータウイルスを作り、「すべての人類を破壊する」こと――。
横田卓馬が描くのは、ノスタルジックなレトロPC文化ではなく、デジタル黎明期の生々しい熱量そのものだ。BASICでプログラムを打ち込み、カセットテープでロードする当時の光景を、単なる時代考証として消費しない。八百子が夢中になるのは、まだ誰も開拓していない領域で「できること」を発見する興奮であり、それは現代のハッカー文化にも通じる純粋な知的好奇心だ。同時期のレトロPC漫画が懐古的な空気に寄りがちな中、本作は当時の若者たちが本気で信じていた「コンピュータが世界を変える」という予感を、八百子の暴走という形で鮮やかに描き出している。
一見ほのぼのとした学園生活の傍らで、彼女は着実にウイルスを進化させていきます。その過程で浮かび上がるのは、技術と倫理の境界が曖昧だった時代の、危うくも眩しい青春です。