ドラゴンヘッド』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

修学旅行の帰路、トンネル内で列車事故に遭った主人公・テルは、暗闇の中で目を覚ます。車両は大破し、生存者は彼を含めてわずか三人。外界との連絡は途絶え、トンネルの出口は崩落で塞がれている。救助を待つ間、閉鎖空間に閉じ込められた生徒たちの精神は徐々に崩壊してゆく……。

望月峻太郎の代表作にして、90年代サバイバル漫画の金字塔。『ヤングマガジン』連載という青年誌の枠を最大限に活用し、極限状態における人間の狂気を容赦なく描き切った。この作品が秀逸なのは、パニック描写の凄惨さそのものではない。閉塞→脱出→さらなる絶望という三段階構造によって、読者を段階的に追い詰めてゆく構成力である。トンネルを抜けた先に待つ光景は、密室の恐怖などささやかに思えるほどの地獄だ。望月の画力は緻密というより執拗で、崩壊した街並みや変質した人間の表情を、まるで悪夢のスケッチのように定着させる。同時期の『AKIRA』や『寄生獣』が超常的な脅威を描いたのに対し、本作が突きつけるのは災厄後の現実そのものです。

救いのない物語ではありません。ただ、希望の在処がどこにあるのか、最後まで読まなければわからない作品です。

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