『ウルトラヘヴン』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
合法ドラッグが蔓延する近未来。主人公・カブは、新種のドラッグを求めて街を彷徨う。ドラッグによって拡張された意識、変容する現実と虚構の境界。彼が手にする薬物は、ただの快楽ではなく、世界の見え方そのものを書き換えていく。現実とは何か、自我とは何か。その答えは、次に摂取する一錠の先にあるのか……。
小池桂一の代表作にして、ドラッグカルチャーを題材にした日本漫画の金字塔である。本作が他のサイケデリック表現と一線を画すのは、薬物がもたらす「意識の変容」を、コマ割りと作画で視覚言語化している点だ。ページ全体が歪み、コマが溶解し、キャラクターの輪郭が崩壊する。こうした表現は単なる演出ではなく、ドラッグ体験そのものを読者の視覚に直接インストールする試みです。フィリップ・K・ディックやウィリアム・バロウズといったカウンターカルチャー文学の系譜を、漫画表現に昇華させた到達点と言える。ストーリーは断片的で、因果は曖昧。それでも読後に残るのは、確かな読書体験としての手応えです。
合法か違法かではなく、意識の自由をどこまで許容するのか。この問いに、あなたはどう答えますか。