『おじさまと猫』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
ペットショップのガラスケース越しに、誰にも選ばれなかった片目の猫がいた。そこへ現れたのは、白髪の紳士。彼はその猫を一目見るなり「この子がいい」と告げ、ふくまると名付けて家に迎える。ピアニストである初老の男性と、傷を持つ白猫の、静かな日常が始まる……。
桜井海は、Pixivやツイッターで人気を博した「神とよばれた吸血鬼」で知られる作家だが、本作はガンガンPixivで連載を開始するやいなや、第1回Deracomi!大賞の受賞をはじめ、「次にくるマンガ大賞2018」ネット部門2位など、数々の賞レースを席巻した。2018年にはAmazon.co.jpで最も売れたマンガシリーズの一つとなり、オリコン売上ランキング3位を記録。動物ものの癒し系作品は数あれど、本作の強さは、猫の可愛らしさだけに頼らない点にある。猫目線の独白と、おじさまの穏やかな心情が交互に描かれる構成によって、孤独を抱えた者同士が互いを必要とする関係性が、過剰な感傷を排して丁寧に掬い取られていく。
映画化とアニメ化を果たし、海外でも高い評価を得た本作は、既刊16巻でなお連載中です。心に空いた穴を埋めるのは、案外、小さな命なのかもしれません。
まだ読んでいないあなたへ
既刊16巻。
それでもまだ、この猫とおじさまの物語は終わらないんです。
ペットショップのガラスケースの中で、周りの子猫たちが次々に飼い主を見つけていく中、一匹だけ売れ残った猫がいました。片目が見えないから。でもその猫は、自分を選んでくれた初老の紳士を「せかいいちのしあわせもの」だと思ったんです。選ばれた喜びを、こんなにも純粋に描ける作品は他にありません。
桜井海が紡ぐのは、孤独を抱えた者同士が出会って人生が変わっていく瞬間です。音楽家のおじさまは長年、喪失を抱えて生きてきました。そこに現れた「ふくまる」という名の猫。この二人が寄り添って暮らす日々は、静かで、温かくて、時々胸が詰まるほど切ないんです。ふくまるの視点で語られる世界は、飼い主への無垢な愛情に溢れていて、ページをめくるたびに「ああ、生きるってこういうことだ」と気づかされます。
コメディと書かれていますが、この作品の本質は笑いの奥にある「救い」なんです。傷ついた者が、もう一度何かを信じられるようになる過程。それを猫と人間の関係を通して、これほど誠実に描いた作品を私は他に知りません。
第1回Deracomi!大賞受賞、次にくるマンガ大賞2位、アニメ化・実写映画化と各方面から支持されているのは、この作品が持つ普遍的な優しさが理由です。猫を飼っていない人でも、むしろ孤独を知っている人ほど、この物語に心を掴まれるはずです。
ふくまるが初めて「おじさま」と呼びかけるシーン。読めば分かります、この物語がなぜ16巻も愛され続けているのか。
巻一覧(発売順)
よくある質問
『おじさまと猫』は全何巻?
現在16巻まで刊行中です。