『ヒカルの碁』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
小学生の進藤ヒカルは祖父の家で古い碁盤を見つけた瞬間、平安時代の天才棋士・藤原佐為の霊に取り憑かれる。囲碁のルールすら知らなかったヒカルは、佐為に導かれるまま碁を打ち始めるが、やがて自分の意志で盤に向かうようになっていく。佐為という絶対的な才能を間近で見続けたヒカルが、追いつこうともがき、囲碁の世界へ足を踏み入れていく物語だ。
ほったゆみと小畑健のタッグが描く本作は、「DEATH NOTE」以前の小畑健が到達した到達点のひとつである。梅沢由香里が監修した囲碁描写は正確で、プロ棋士たちからも支持を集めた。だが本作の真価は、囲碁という題材を通じて「才能の隣にいる者の苦悩」を描き切った点にある。佐為の圧倒的な強さを知るヒカルは、彼に頼ることも、彼から離れることもできない。この関係性の緊張が物語を駆動させる。小畑の線はまだ若々しく、佐為の衣装や長い髪の流れに躍動感があり、院生たちの表情には少年漫画らしい熱がある。週刊少年ジャンプで囲碁を扱うという冒険を成功させたのは、囲碁を題材にしながらも囲碁だけを描かなかったからだ。
佐為とヒカルの関係が、いつまでも続くはずがない。その予感を抱えたまま読み進めるとき、あなたは囲碁というゲームの奥深さと、人が何かに打ち込む理由を同時に理解することになるでしょう。