『魔法少女サイト』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
いじめと虐待が日常の朝霧彩は、ある日パソコンの画面から現れた謎のサイト「魔法少女サイト」と遭遇する。そこで与えられたステッキは、使用者の寿命を削りながら特殊な能力を発動する——。彩はこの力でいじめっ子を殺害し、同じくステッキを持つ少女たちと出会っていく。やがて「サイト管理人」と呼ばれる異形の存在たちの思惑、世界を滅ぼすとされる「テンペスト」の予言が明かされ、少女たちは過酷な運命に巻き込まれていく……。
作者の佐藤健太郎は「ねこまた。」などギャグ・コメディ路線で活躍した後、本作で一転してダークファンタジーに舵を切った。秋田書店「週刊少年チャンピオン」から「別冊少年チャンピオン」へと掲載誌を移し、全16巻で完結している。本作が示すのは「魔法少女まどか☆マギカ」以降のダーク系魔法少女ものとは異なる、より直接的な暴力と絶望です。いじめ・虐待・殺人という現実的な苦痛をまず提示し、そこに「寿命を対価とする魔法」という救済と搾取が同居した設定を組み合わせる。救われるために命を削るしかない少女たちの姿は、社会の底辺に追いやられた者たちのメタファーとして機能しており、単なる鬱展開ではなく構造的な問題提起を含んでいる。
過激な描写に耐性がある読者にとっては、この容赦のなさこそが作品の核心です。中盤以降の管理人との対決、仲間の死、そして最終的な選択まで、救いと絶望のバランスが絶妙に保たれています。「優しさだけでは救えない世界」を描ききった一作として、ぜひ手に取ってみてください。