黄昏乙女×アムネジア』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

私立誠教学園。増改築を繰り返した迷路のような旧校舎には、60年前に亡くなったとされる少女の幽霊伝説が語り継がれている。その幽霊こそ、記憶を失った美少女・庚夕子。新入生の新谷貞一は彼女と出会い、共に「怪異調査部」を立ち上げる。学園に伝わる怪談を調べるうち、夕子の死の真相が少しずつ明らかになっていく……。

「君と僕。」で穏やかな学園青春を描いたマツジッキーが、スクウェア・エニックスの月刊ガンガンJOKERで挑んだのは、学園ホラーというジャンルだ。しかしこの作品、単なる怪談ものではない。幽霊が主人公のラブコメという設定自体は珍しくないが、本作の秀逸さは「記憶喪失」という要素を夕子のキャラクターに組み込んだ点にある。明るく天真爛漫な彼女が、自身の死の記憶を取り戻すたびに表情を曇らせる。その心情の揺らぎが、学園怪談の謎解きと恋愛の進展を同時に駆動させる仕組みだ。さらに作者は、夕子の影=負の側面を具現化させた「影夕子」を登場させることで、恐怖と切なさを同居させる。コミカルなやりとりの背後に漂う哀しみ。この絶妙なバランス感覚が、全7巻という比較的短い構成の中で、物語を一気に駆け抜けさせる推進力となっている。

アニメ化もされたこの作品、今読んでもその完成度は色褪せません。学園ミステリとラブコメ、ホラーと癒しが同居する稀有な一作です。

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