煩悩寺』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

廃れかけた古寺に、煩悩にまみれた僧侶たちが集う。住職の煩悩和尚は女好きで酒好き、小僧の一休は金にがめつく、居候の元ヤクザは暴力の誘惑と戦っている。信仰も修行もそっちのけで、日々を怠惰に過ごす彼らのもとに、今日もまた悩みを抱えた人々が訪れる。だが、この煩悩まみれの僧侶たちが、時に的外れな言葉で、時に図らずも本質を突いた一言で、相談者の心を揺さぶっていく……。

作者の田中圭一といえば『ドクター秩父山』や『うつヌケ』で知られるが、本作はその作風の集大成とも言える一作だ。手塚治虫風の絵柄で下ネタを描く芸風で名を馳せた作家が、仏教という題材に真正面から向き合っている。ここで描かれるのは、きれいごとではない。煩悩を否定せず、むしろ煩悩を抱えたまま生きる人間の姿を肯定する視点が、全編を貫く。説教臭さは皆無だ。各エピソードは笑いから始まり、いつの間にか読者の胸に何かが残る構造になっている。コメディとヒューマンドラマの配合が絶妙で、『聖☆おにいさん』のような宗教コメディとも、『深夜食堂』のような人情ものとも異なる独自の立ち位置を確立している。

煩悩を笑い飛ばしながら、読後にはなぜか心が軽くなる。そんな不思議な読後感を、ぜひ体験してください。

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