『累-かさね-』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
醜い容姿ゆえに女優への道を閉ざされた淵累は、亡き母が遺した口紅と出会う。それは他者と顔を入れ替える力を持つ禁断の化粧品だった。美貌の少女・羽鳥の顔を奪い、憧れの舞台に立つことを選んだ累。だが演じる才能は累自身に宿り、羽鳥の身体を操りながら観客を魅了していく。顔を失った羽鳥は、累の才能に取り憑かれ、共犯関係を深めていく。二人は互いに搾取し合いながら、舞台の頂点を目指すのだが……。
松浦だるまは『雨の日のアイリス』でデビュー後、本作で一気に注目を集めた。「美醜」という普遍的なテーマを、ホラー演出と演劇という舞台装置で料理した手腕は見事です。単なる入れ替わり物ではなく、累と羽鳥の関係性が次第に歪んでいく過程を、綿密な心理描写で追っていく。美しさとは何か、才能とは何か。読者が当然と思っていた価値観を、容赦なく揺さぶってくるんですね。イブニング連載作らしい大人向けの作劇と、サスペンスとしての緊迫感が両立している。『花とアリス殺人事件』のような青春ミステリを好む層にも刺さるはずです。
口紅がもたらす呪いは、累自身だけでなく周囲の人間をも巻き込んでいきます。全14巻、一度読み始めたら最後まで目が離せません。