『ふたり明日もそれなりに』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
高校の同級生だった律と友美は、大学進学後も同じ街で一人暮らしを始めた。特別な恋人関係ではないが、週に何度か互いの部屋を行き来し、一緒にご飯を食べ、ダラダラとテレビを見る。友達以上、恋人未満――そんな曖昧な距離感のまま、二人の日常は穏やかに流れていく。この関係は一体何なのか。答えを出さないまま、彼らは今日もそれなりに過ごしている……。
ゆあまによる本作は、『町田くんの世界』で知られる安藤ゆきの系譜に連なる、静謐な日常の観察者としての才能を感じさせる作品だ。だが本作が優れているのは、恋愛漫画の文法を意図的に"外している"点にある。告白も、すれ違いも、三角関係もない。あるのは、洗濯物を畳む些細な会話や、コンビニで買った惣菜を分け合う夜だけ。しかしその何気ない積み重ねの中に、言葉にならない依存と信頼が宿る。二人の関係を定義しようとする周囲の視線と、定義を拒む当人たちの姿勢――その対比が、現代の若者の関係性のリアルを浮かび上がらせている。ゆあまの線は柔らかく、表情の機微を捉える描写力は確かです。
「付き合ってないけど、一番近い人」という関係に覚えがあるなら、この作品はあなたのためのものです。答えを急がない二人の時間を、そっと覗いてみてください。