『ボーイミーツマリア』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
高校演劇部に所属する主人公・太一は、ある日転校生の少女・マリアに一目惚れする。だが、マリアは実は「男の子」だった――。戸惑いながらも惹かれていく太一。一方でマリアもまた、複雑な過去を抱えている。ひと夏の青春が、二人の秘密を巡って動き出す……。
KADOKAWA『月刊コミック電撃大王』で連載された本作は、性別違和や自己認識をテーマに据えながらも、説教臭さとは無縁の作品だ。作者の永井三郎は『ヨルとネル』でも少年少女の危うい関係性を描いてきたが、本作ではその手腕がさらに研ぎ澄まされている。この作品が優れているのは、マリアの性自認を「物語を彩る設定」として消費せず、当事者の痛みと願望を丁寧に掬い上げる点です。同時に、太一という「普通の高校生」の揺れ動く感情もまた誠実に描かれる。BLでも百合でもない、「人と人が出会い、理解し合おうとする物語」として昇華されているのです。
読後には静かな余韻が残ります。誰かを好きになるとはどういうことか。その問いに、この一冊は真摯に向き合っています。