『HIDEOUT』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
廃墟のような場所で目覚めた青年・レイは、記憶を失っていた。そこは外界から隔絶された巨大な地下シェルター「HIDEOUT」。住人たちは謎のルールに従いながら、閉鎖空間での奇妙な共同生活を送っている。だが、このシェルターには恐るべき秘密が隠されていた……。
安藤正基の真骨頂は、密室サスペンスの構造をどこまで緻密に組み上げられるかという点にある。『絶望の犯島』で孤島という舞台設定を極限まで活用した作者が、今度は地下シェルターという新たなフィールドを選んだ。本作の優れた点は、単なる脱出劇に終わらせない構成力だ。一見無秩序に見える住人たちの行動には綿密な伏線が張り巡らされており、読み進めるごとに「なぜこの場所が存在するのか」という根源的な謎が浮上してくる。閉鎖空間ミステリーというジャンルにおいて、設定の必然性をここまで追求した作品は稀です。
記憶喪失の主人公という定番の設定が、この作品では単なる導入装置ではなく、物語全体を貫く核となっている。誰が敵で誰が味方か分からない緊張感の中、レイと共に読者も真実を探る旅に放り込まれます。