さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

孤独に耐えかねた作者自身が、女性専用の風俗店に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、優しく身体を重ねてくれる女性たち。だが、一時の安らぎの後に訪れるのは、さらに深い孤独だった……。

永田カビは『一人交換日記』で孤独と自意識を描き、『一人ぼっちの○○』では承認欲求の地獄を晒した作家である。本作はその系譜に連なる自伝的エッセイ漫画だが、ここで描かれるのは性的サービスという行為を通じて浮かび上がる「関係性の不可能性」だ。風俗という、本来なら金銭で割り切られるはずの場で、作者は逆に自分の渇望の深さを思い知らされる。身体的な快楽よりも、誰かに触れられること、優しい言葉をかけられることへの飢えが、ページの随所から滲み出る。感情を抑制した線と、時折挿入される内省的なモノローグが、この作品を単なる体験記以上のものにしている。いがらしみきお『ぼのぼの』が哲学的寓話として機能するように、本作は孤独という普遍的テーマを、極めて個人的な体験を通じて語る。

あなたが一度でも、誰かに触れたいと思ったことがあるなら、この作品は読むべきです。

まだ読んでいないあなたへ

孤独って、こんなに痛いものだったんだ。

永田カビさんの実体験を描いたこの作品、最初は「風俗レポ漫画」だと思って手に取るかもしれません。でも読み進めると、そんな予想は一瞬で裏切られるんです。ここに描かれているのは、誰にも言えない寂しさを抱えて生きる一人の人間の、切実すぎる記録なんですよ。

主人公が抱えているのは、ただの恋愛の悩みじゃありません。自分の存在そのものに価値を見出せない感覚、誰かと繋がりたいのに繋がり方が分からない感覚、そして「普通」に生きられない自分への苛立ち。そういう感情が、嘘のない線で描かれています。風俗という場所を選んだのは、それが彼女にとって「人に触れてもらえる唯一の方法」だったから。その選択の重さが、読んでいて胸に刺さるんです。

驚くのは、この作品が決して暗いだけじゃないこと。セラピストの女性との会話には、不器用だけど確かな温かさがあって、そこに救いを感じるんです。誰かに触れてもらうことの意味、プロとしての距離感の中にある優しさ、そして「これでいいのかな」と揺れ動く主人公の心。その全てが、あまりにも人間らしくて目が離せません。

この作品を読むと、「孤独」って抽象的な言葉じゃなくなるんですよね。それは体温の不在で、会話の不在で、自分を肯定してくれる誰かの不在なんです。そしてその痛みは、きっとあなたも、私も、どこかで感じたことがあるはずです。

誰にも見せたくない部分を晒す勇気。この作品には、それがあります。だからこそ、読み終わったとき、何かが少し変わるんです。

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