フルーツバスケット』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

母を亡くし、テント暮らしをしていた女子高生・本田透は、ひょんなことから同級生の草摩由希が暮らす家に居候することになる。だがその家には不思議な秘密があった。草摩家の人間は十二支の物語に登場する動物憑きで、異性に抱きつかれると憑かれた動物に変身してしまうのだ。猫憑きの草摩夾、犬憑きの草摩紫呉。透は彼らの秘密を知り、やがて一族が抱える呪いと、その裏に潜む闇に触れていく……。

著者・高屋奈月は本作が初の長期連載作品である。花とゆめで1998年から2006年まで連載され、累計発行部数3000万部を超える『花とゆめ』史上屈指のヒット作となった。この作品の特筆すべき点は、少女漫画の王道設定である「美少年との同居」という枠組みを用いながら、家族の支配、世代間連鎖する暴力、自己肯定感の欠如といった、極めて現代的なテーマを正面から描き切ったことだ。表層的なファンタジー設定の向こう側に、抑圧された者たちの痛みが克明に刻まれている。透という主人公もまた、一見明るく献身的な少女に見えて、実は母の死という喪失を抱えたまま「いい子」を演じ続けている。彼女が草摩家の人々と関わる中で、互いの傷を認め合い、ゆっくりと癒していく過程は、ただのラブコメディでは決してない。

少女漫画に苦手意識がある読者こそ、一度手に取ってほしい作品です。

まだ読んでいないあなたへ

呪いで動物に変身する一族の話、と聞いて「どうせファンタジーでしょ」って思ったなら、一度だけ騙されてみてください。

この漫画、本当は「人間が抱える傷」の話なんです。十二支の呪いを持つ草摩家の人々は、抱きしめられたら動物になってしまう。でもそれ以上に、彼らは心に深い傷を抱えていて、誰かに触れることも触れられることも怖がっている。主人公の本田透が彼らと出会ったとき、物語は「かわいそうな人たちを元気な子が癒す話」には絶対にならないんです。

透自身、母親を亡くして天涯孤独で、いつも笑顔の裏で必死に自分を保ってる。彼女が草摩家の人々と関わるうち、お互いの痛みが共鳴して、少しずつ本音が溢れ出すんですよ。「自分なんて」って思ってた人が「生きていていい」って気づいていく過程が、驚くほど丁寧に描かれていて。

特に中盤から終盤、ある登場人物が長年抱えてきた憎しみをぶつける場面があるんですが、そこで返ってくる言葉の重さに心臓を掴まれました。綺麗事じゃない、本気で向き合った人間同士の言葉って、こんなにも届くんだって。

全23巻、一気に読んでください。ラスト数巻は涙で画面がにじんで困るかもしれませんが、読み終わったあと、自分の中の何かが確実に変わってるはずです。「人を愛するって、こういうことか」って、腑に落ちるんです。

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