『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
1999年、宮城県杜王町。高校生の東方仗助は、ある日突然、自分が不倫の末に生まれた祖父の隠し子であり、「ジョースター家」の血を引く者だと知らされる。彼には生まれつき「スタンド」と呼ばれる超能力が備わっていた。治癒と破壊、二つの力を持つスタンド「クレイジー・ダイヤモンド」を操る仗助は、町に潜むスタンド使いたちと遭遇し、やがて連続殺人鬼の影を追うことになる。
荒木飛呂彦が「ジョジョの奇妙な冒険」第四部として描いた本作は、それまでの「冒険活劇」から大きく舵を切った作品である。第三部までの世界を股にかけた旅路とは異なり、舞台を一つの地方都市に固定し、日常に潜む異常を描く群像劇へと転換した。この構造変化により、スタンドバトルは「倒すべき敵との対決」から「町の平和を脅かす事件の解決」へと意味を変える。吉良吉影という殺人鬼を軸に据えながら、彼を追う過程で浮かび上がるのは、奇妙な隣人たちとの交流であり、守るべき日常の尊さです。荒木が描くのは、特別な力を持った少年たちが「普通の町」で「普通に生きる」ことの困難と価値なのです。スタンドバトルの創意工夫はこの部で頂点に達し、能力の組み合わせや駆け引きの妙は、後のバトル漫画に多大な影響を与えました。
シリーズ未読でも問題ありません。ここから始めても十分に楽しめる構成になっています。奇妙でどこか優しい、新しいジョジョの扉を開いてください。
まだ読んでいないあなたへ
奇妙な町には、もっと奇妙な高校生たちが住んでるんです。
舞台は1999年、日本のどこにでもありそうな地方都市・杜王町。ここで育った主人公の東方仗助は、見た目はリーゼントで喧嘩っ早いけど、根っこには誰よりも優しい心を持ってる高校生なんですよ。彼には「スタンド」と呼ばれる特殊能力があって、それを使って壊れたものを直せるんです。でもこの能力、ただの便利グッズじゃない。誰かの涙を止めるため、大切な人を守るため、時には自分の命を賭けてでも使う覚悟が、彼の中にはあるんです。
この町に突然現れた謎の殺人鬼。犯人は15年以上も捕まらず、今もどこかで普通の顔をして暮らしている。仗助と仲間たちは、それぞれ全く違う理由でこの事件に関わっていくんですが、ここで描かれる「守りたいもの」の形が、どれも切実で痛いほど伝わってくるんです。友達、家族、恋人、プライド、平穏な日常——誰もが何かを背負って戦ってる。
スタンドバトルの駆け引きがまた凄まじくて。能力の相性や機転、覚悟の差で勝敗が決まるから、戦闘シーンのたびに手に汗握るんですよ。「こんな能力でどう勝つんだ」って絶望的な状況から、思いもよらない発想で逆転する瞬間の鮮やかさ。これが読んでて本当に気持ちいい。
仲間との絆も熱いんですが、ベタベタしてないんです。むしろ不器用で、言葉にしないからこそ響く信頼がある。背中を預け合う瞬間、黙って拳を合わせる場面——そういう「わかってる」関係性が、じわじわ胸に来るんですよね。
この物語、派手な世界征服とかないんです。ただ自分の町を、大切な人を、当たり前の明日を守るために戦う。その泥臭くて真っ直ぐな姿が、読み終わった後もずっと心に残るんです。