『ぼくたちは勉強ができない』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
貧しい家庭に生まれた高校生・唯我成幸は、大学の特別VIP推薦を得るため、学園長から二人の天才少女の教育係を命じられる。一人は文系の緒方理珠、もう一人は理系の古橋文乃。だが二人にはそれぞれ致命的な欠点があった――理珠は数学は完璧だが国語が壊滅的、文乃は文学を愛するのに数学がまるで理解できない。しかも二人とも、自分の苦手分野の大学を目指すという。成幸は彼女たちの「教育係」として、この無謀な受験に伴走することになる……。
筒井大志が『週刊少年ジャンプ』で2017年から連載したこの作品は、ラブコメというジャンルに「受験」という要素を持ち込んだ点で巧妙です。『ニセコイ』『ゆらぎ荘の幽奈さん』といった王道ハーレムものが林立した時期、本作は「勉強を教える」という構造によって、主人公とヒロインたちが自然に接近する動機を作り出しました。成幸は単なる鈍感系主人公ではなく、貧困ゆえに努力を積み重ねてきた苦労人である点も好感度が高い。加えて、理珠と文乃の「天才なのに苦手分野がある」という設定が、キャラクターに深みと応援したくなる弱さを与えている。さらに途中から追加されるサブヒロインたち――武元うるか、桐須真冬、小美浪あすみ――もそれぞれ明確な個性を持ち、読者の推しキャラ論争を巻き起こしました。
最終的に本作は各ヒロインのルート分岐エンディングという形で完結し、賛否を呼びましたが、それもまた「全員を幸せにしたい」という作品の誠実さの表れでしょう。あなたの推しは誰になるか、まずは一巻を手に取ってみてください。
まだ読んでいないあなたへ
偏差値40台の主人公が、学年トップの天才たちに勉強を教える。
この設定を聞いて「え?」って思いますよね。でもこれが『ぼくたちは勉強ができない』の面白さの核心なんです。理系の天才なのに文学部志望、文系の天才なのに理系学部志望。才能と夢が真逆の方向を向いてる生徒たちに、成績ギリギリの主人公・成幸が教育係として指名される。無茶苦茶な話なんですけど、読み進めるうちにこの「逆転した構図」が恐ろしく効いてくるんですよ。
成幸は努力の天才なんです。才能がないからこそ、つまずく場所が分かる。苦手な気持ちに寄り添える。彼が生徒たちに教えるのは公式じゃなくて、諦めない方法なんですね。そして生徒たちもまた、成幸に何かを教え返していく。互いに支え合いながら、それぞれの「できない」を「できる」に変えていく過程が、読んでいて本当に胸が熱くなります。
ラブコメとしても一級品です。ヒロインそれぞれに本気で心揺さぶられるエピソードが用意されてて、誰かを応援したくなる。でもこの作品、恋愛の駆け引きよりも「夢に向かう姿」を丁寧に描いてるんですよね。だから読後感が爽やかなんです。
受験という誰もが通る道を舞台に、才能と努力、夢と現実について真正面から描いた青春劇。笑って、ときにぐっときて、最後にはきっと背中を押されますよ。