モブサイコ100』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

霊能力者・霊幻新隆の事務所でアルバイトをする中学生、影山茂夫。通称「モブ」。彼は絶大な超能力を持ちながら、それを誇示することなく、地味で目立たない日常を送っている。ただ、彼には一つの願いがあった——幼馴染の女子、ツボミに好かれるため、少しでも「普通の人間」として成長したい。超能力に頼らず、肉体改造部に入り、友達をつくり、恋をする。だが感情が高ぶると、彼の中の力は暴走する……。

ONE氏は『ワンパンマン』で圧倒的な力を持つ主人公を描いたが、本作はその裏返しだ。サイタマが「強すぎて退屈」なら、モブは「強すぎて怖い」。力を持つ者の孤独と葛藤を、彼は徹底的に掘り下げた。特筆すべきは、超能力バトルというジャンルで「力を使わないことの尊さ」を描き切った点です。師匠・霊幻のペテン師ぶりと、それでもモブに与える影響の大きさ。この師弟関係の機微こそ、ONE作品の真骨頂と言える。また、ボンズによるアニメ化で爆発的に評価が高まったが、原作の素朴な線にこそ、モブの「普通でありたい」という願いが宿っていた。

力を持つことと、人として成長すること。この作品はその両立の難しさを、笑いと涙で包み込みます。未読なら、今すぐ読むべきです。

まだ読んでいないあなたへ

超能力って、持ってても幸せになれないんですよ。

スプーン曲げも空中浮遊も、そんなもので女の子にモテるわけじゃない。友達が増えるわけでもない。むしろ普通の人間関係から遠ざかってしまう。主人公の影山茂夫(通称モブ)は、生まれつき規格外の超能力を持ちながら、ただ「普通の中学生になりたい」と願っている少年なんです。筋肉をつけたい。部活で汗を流したい。気になる女の子と話したい。そういう、誰もが当たり前に持っている青春への憧れを、彼は必死で追いかけているんです。

でも世界は彼をそっとしておいてくれない。悪霊、カルト教団、テロ組織。力を持つ者には、力を求める者が集まってくる。そしてモブの感情が高ぶるとき、彼の中に秘められた力が暴走して、街一つ吹き飛ばすほどの破壊をもたらしてしまう。だから彼は感情にフタをする。怒りも、悲しみも、喜びさえも押し殺して生きている。その姿があまりに痛々しくて、胸が締め付けられるんです。

この作品が凄いのは、超能力バトルの派手さじゃないんです。モブが師匠や仲間たちとの出会いを通じて、少しずつ「自分の感情を出していいんだ」と気づいていく過程が、本当に丁寧に描かれている。力じゃなく、優しさで人を救おうとする彼の選択が、読んでいて涙が出るほど尊いんです。

そして何より、この作品は「特別じゃない自分」に悩むすべての人への応援歌なんです。才能がなくても、強くなくても、人は誰かの人生を変えられる。そのメッセージが、ラストまで一貫して響き続けるんです。

笑って泣けて、読み終わったあと確実に世界の見え方が変わります。これ、本当に読んでほしいんです。

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