『GTO』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
元暴走族のリーダーだった鬼塚英吉は、教師という職業に憧れて私立聖林学苑の教壇に立つ。だが彼が受け持ったクラスは、前任の教師を次々と追い詰めてきた問題児だらけ。生徒たちは新米教師を排除すべく、罠を仕掛け、挑発を繰り返す。しかし鬼塚は型破りな手法と、時に暴力すれすれの行動で生徒たちの心をこじ開けていく……。
『湘南純愛組!』で不良少年を描いてきた藤沢とおるが、その主人公を教師へと転身させた本作は、90年代後半の教育現場を舞台にした異色の学園ドラマだ。いじめ、家庭内暴力、援助交際——当時のリアルな社会問題を正面から扱いながら、鬼塚という破天荒な主人公が教育委員会のルールなど無視して、力ずくで生徒を救っていく。この作品の真価は、単なる勧善懲悪に終わらない点にある。鬼塚自身が決して聖人ではなく、スケベで金に汚く、見栄っ張り。それでも彼は生徒と同じ目線に立ち、時に一緒に傷つく。その不完全さこそが、生徒たちの心を開く鍵となっている。講談社『週刊少年マガジン』連載時には社会現象と呼ばれるほどの人気を博し、実写ドラマ化で反町隆史が演じた鬼塚像も強烈な印象を残した。
教師モノの金字塔でありながら、今読んでも古びない熱量がここにはあります。教育とは何か——その答えを、鬼塚英吉が体当たりで示してくれるはずです。
まだ読んでいないあなたへ
元暴走族の教師が、教育界のタブーを全部ぶち破ります。
鬼塚英吉、22歳。湘南最強の元ヤンキーが高校教師になる理由は「女子高生とイイ仲になりたい」という最低の動機なんですけど、これが教育現場に放り込まれると、とんでもない化学反応を起こすんです。いじめ、不登校、教師間の腐敗、親の虐待――「先生なんて信じられない」と心を閉ざした生徒たちの前で、鬼塚は教育委員会も学校のルールも全部無視して、ただ一つ「生徒を守る」ことだけを貫く。
この男、本当に型破りなんですよ。校舎をバイクで爆走し、体罰上等の教師を殴り飛ばし、時には自分の体を張って生徒の身代わりになる。でも、その一見無茶苦茶な行動の全てが、誰も救えなかった生徒の心を溶かしていくんです。偽善も綺麗事もない。ただ「お前のことは俺が守る」という、不器用だけど真っ直ぐな言葉が、どれだけの力を持つか思い知らされます。
特に痺れるのは、鬼塚と生徒たちの関係が変わっていく瞬間なんです。最初は「こんなチンピラ教師」と見下していた生徒が、ある出来事をきっかけに「鬼塚先生だけは違う」と気づく。その変化を描く藤沢とおる先生の筆力が、もう圧倒的で。読んでいると、自分の中学高校時代に「こんな先生がいたら」って本気で思ってしまうんです。
そしてこの作品、笑えるんですよ。鬼塚の下品なボケと、生徒たちのツッコミのテンポが最高で。重いテーマを扱いながら、読後感が妙に爽快なのは、この絶妙なバランスのおかげなんです。
25巻完結。90年代の作品ですけど、今読んでも全く色褪せません。むしろ今の時代だからこそ、この「大人が本気で生徒と向き合う姿」が刺さるんじゃないでしょうか。教育とは何か、大人の責任とは何か――そんな堅苦しい問いに、鬼塚英吉というキャラクターが最高にロックな答えを叩きつけてくれます。