炎炎ノ消防隊』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

太陽暦二百年、人類は「人体発火現象」という新たな脅威に直面していた。突如炎に包まれ、「焰ビト」と呼ばれる怪物と化した人々。その脅威に立ち向かうのが、消防士でありながら戦闘部隊として編成された「特殊消防隊」だ。主人公・森羅日下部は、足から炎を噴き出す「第三世代能力者」として第8特殊消防隊に配属される。彼の目的は、かつて焰ビトとなった母と弟の真実を暴き、人体発火現象の謎を解明すること。そして森羅の前に現れたのは、「伝導者一派」という謎の組織と、世界そのものを揺るがす陰謀だった……。

大久保篤といえば『ソウルイーター』で魂を喰らうダークファンタジーを描き、独特のデフォルメ表現と骨太なバトル演出で読者を魅了した作家だ。本作はその作風を消防士という題材に落とし込み、炎の表現においてジャンプ系バトル漫画の中でも屈指の画力を見せつけている。特筆すべきは、能力バトルとしての説得力だろう。「炎を操る」という王道設定を、発火能力の世代区分や各隊員の特性によって徹底的に差別化し、単調さを排している。加えて「教会」「科学」「陰謀」といった複数の要素を絡ませ、消防隊という枠組みの中に本格SFの構造を持ち込んだ点も巧みだ。週刊連載でありながら、大コマの迫力を損なわない画面設計も見事である。

炎の戦闘表現を堪能したいなら、これ以上の選択肢はありません。熱量そのものが紙面から迫ってくる体験を、ぜひその目で確かめてください。

まだ読んでいないあなたへ

炎で人が燃える世界で、消防士が戦う。

この漫画の世界では、人が突然発火して怪物になるんです。「焔ビト」と呼ばれるその存在を鎮魂するため、特殊消防隊が命を賭けて立ち向かう。主人公シンラは、足から炎を噴き出す能力を持つ新人隊員。彼が消防士を志した理由は、幼い頃に母と弟を炎で失ったから。でも実は、その火災の真相には、世界を揺るがす巨大な陰謀が隠されているんです。

バトル漫画としての爽快感が凄まじい。炎を操る能力者たちの戦闘は、それぞれの個性が際立っていて飽きない。剣のように振るう者、爆発させる者、温度を自在に操る者。能力の組み合わせで戦況が二転三転するから、次のページをめくる手が止まらなくなります。そして何より、消防士という職業を題材にした設定が秀逸なんです。敵を倒すだけじゃない、炎に苦しむ人々を「救う」ための戦いだから、勝利の意味が違う。

ただ、この作品の本当の魅力は中盤以降に現れます。最初は単純に見えた「炎の怪物を倒す」話が、世界の成り立ちそのものに関わる壮大なミステリーへと変貌していく。なぜ人は燃えるのか。この世界は何度目の世界なのか。散りばめられた伏線が一気に回収されていく快感は、読んでいて鳥肌が立ちます。

そして何より、キャラクターたちの「覚悟」が胸を打つ。仲間を守るため、真実を知るため、それぞれが譲れないものを胸に炎の中へ飛び込んでいく。笑顔を絶やさない隊長、不器用だけど熱い先輩、過去に縛られた少女。一人ひとりが抱える想いが交錯する場面では、思わず涙がこぼれます。

「ソウルイーター」の大久保篤先生が描く、炎と希望の物語。全34巻で完結済み。最終話まで一気に駆け抜けてください。

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