ヲタクに恋は難しい』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

桃瀬成海は隠れ腐女子のOL。転職先で幼馴染の二藤宏嵩と再会する。彼はゲーマーで、見た目は仕事のできるイケメンだが重度のオタク。二人は互いの趣味を知る者同士、ヲタク同士で付き合うことになる。職場の先輩カップル、小柳花子と樺倉太郎もまた、コスプレイヤーと無口なゲーマーという組み合わせ。四人は会社では普通の顔をしながら、オフでは趣味全開で恋愛を続けていく……。

ふじたによる本作は、pixivで公開されたウェブ漫画から書籍化された経緯を持つ。恋愛漫画としては珍しく、主人公たちが早々に付き合い始め、その後の関係性を描く点が特徴だ。オタク文化への造詣が深く、ゲームやアニメのパロディが随所に散りばめられているが、それらは物語の装飾ではなく、キャラクターの感情を伝える言語として機能している。成海が「尊い」と連呼する様子や、宏嵩がゲームのステータスに例えて自分の恋心を分析する描写は、オタクならではのコミュニケーションをリアルに再現している。一条ゆかりや柴門ふみが描いてきた「大人の恋愛」を、2010年代のオタク文化の文脈で更新した作品と言えるだろう。comic POOLでの連載を経て一迅社から刊行され、アニメ化・実写映画化も果たした。

趣味を隠さず、理解し合える相手と付き合うことの心地よさが、この作品の核にあります。恋の始まり方ではなく、続け方を描いた希少な一作です。

まだ読んでいないあなたへ

オタクって、恋愛の話になると途端に不器用になるんですよね。

この作品は、隠れ腐女子のOL・成海と、重度のゲームオタクの二藤が付き合い始めるところから物語が動き出すんです。でも普通の恋愛漫画とは何もかもが違う。初デートで行く場所はゲームセンター。プレゼント交換で渡すのは同人誌とゲーム。LINEの返信より攻略の方が先。そんな二人が、お互いの「オタクである部分」を隠さずに向き合っていく姿に、胸がぎゅっと締め付けられるんです。

一番グッとくるのは、二人の関係が「分かり合える安心感」で成り立っている点なんですよ。世間的には理解されにくい趣味を持つ者同士だからこそ、お互いの時間の使い方も金銭感覚も尊重し合える。「今日は○○のイベントだから会えない」が当たり前に通じる関係って、実はものすごく貴重なんだと気づかされます。

しかもこの作品、笑えるんです。成海の妄想暴走っぷり、二藤のゲーマー思考、そして周囲のオタク仲間たちの濃すぎるキャラクター。気づけば電車の中でニヤニヤしてしまって、隣の人に不審がられるレベル。

恋愛とオタク趣味の両立って難しい、そう思っていた人にこそ読んでほしい。「こういう恋愛もアリなんだ」って、肩の力がふっと抜ける作品なんです。

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