GANTZ』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

地下鉄のホームで轢かれて死んだはずの高校生・玄野計と加藤勝が目覚めると、そこは謎の黒い球体「ガンツ」が鎮座するマンションの一室だった。集められた死者たちに球が命じるのは、星人と呼ばれる異形の存在を狩ること。高性能スーツと武器を与えられ、100点を獲得すれば元の生活に戻れるというが、理不尽な死が当たり前のように訪れるゲームの正体は一向に明かされない。

『変[HEN]』で物議を醸した奥浩哉が、00年代に放ったダークSFアクション。当時のヤングジャンプ誌面を席巻した本作が異質だったのは、「生き残りゲーム」という王道プロットを採りながら、主人公の無能さと人間の醜悪さを容赦なく描いた点だ。序盤の玄野は自己中心的で臆病、正義感のかけらもなく、読者の共感を拒む。だが、この不快なリアリティこそが作品の骨格である。フルCGで描かれる星人の造形は生理的嫌悪を喚起し、人体破壊描写は徹底して残酷だ。同時代の『バトル・ロワイアル』が青春のメタファーとして消費されたのに対し、本作は「死」そのものの重量を突きつける。中盤以降、理不尽な世界で足掻く人間たちの変化が、構造的な物語を生み出していく構成も巧みだ。

デスゲームものの金字塔でありながら、今なお賛否両論を呼ぶ問題作です。この不条理に、あなたも立ち会ってください。

まだ読んでいないあなたへ

死んだはずの高校生が、真夜中の密室で目覚めるんです。

そこにいるのは、自分と同じように「さっき死んだ」人間ばかり。老人、サラリーマン、ヤクザ、女子高生。全員が数分前まで確かに死んでいた。なのに今、こうして呼吸している。部屋の中央には、表面がツルツルと黒光りする巨大な球体。そいつが突然、文字を映し出すんです。「あなたの命は終わりました。これからはボクのものです」って。

この作品が恐ろしいのは、死と隣り合わせの戦いを強制される理不尽さじゃないんですよ。本当に怖いのは、極限状態に置かれた人間の本性が次々と暴かれていくこと。命の危機に直面したとき、人は仲間を見捨てる。裏切る。自分だけ生き延びようとする。主人公も、最初は正義の味方でもなんでもない。むしろ、あなたや私と同じくらい弱くて醜い。

でも、だからこそ心を掴まれるんです。この弱い人間が、理不尽な暴力の前で何度も折れそうになりながら、それでも立ち上がろうとする瞬間がある。仲間のために、愛する人のために、自分の命を盾にする場面がある。その選択に至るまでの葛藤が、一コマ一コマに刻まれてる。

奥浩哉が描くCGを駆使した圧倒的な画力も凄まじいんですけど、それ以上に忘れられないのは人間の顔なんです。恐怖で歪む顔、必死に涙をこらえる顔、誰かを守ると決めた時の顔。全部が嘘じゃない。

一度読み始めたら、深夜2時だろうと手が止まらなくなりますよ。あなたの中の「生きる」という感覚が、まるで別の解像度で見えてくるはずです。

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