『ぐらんぶる』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
海辺の大学町、伊豆へ引っ越してきた北原伊織。伯父が営むダイビングショップ「グランブルー」で新生活を始めるはずが、待っていたのは全裸で酒を飲む体育会系大学生たち。華やかなキャンパスライフを夢見ていた伊織は、ダイビングサークル「Peek-a-Boo」の先輩たちに巻き込まれ、入学初日から全裸で一気飲みを強要される。これが、彼の狂騒と後悔に満ちた大学生活の始まりだった——。
原作・井上堅二、作画・吉岡公威による本作は、「good!アフタヌーン」で2014年から連載中のコメディ。井上は『バカとテストと召喚獣』で知られるライトノベル作家だが、ここでは大学生の飲み会文化とダイビングという二つの要素を巧みに組み合わせている。一見すると下ネタと飲酒ギャグに終始しそうな設定だが、吉岡の緻密な作画が海中シーンに説得力を与え、ダイビングの魅力を真正面から描写する。ギャグとシリアスの配分が絶妙で、馬鹿騒ぎの合間に挟まれる海の美しさが、作品に奥行きを生んでいるのです。講談社の青年誌らしい、計算されたバランス感覚といえる。
「大学生活なんてこんなもんだったな」と苦笑する元学生も、「こんな青春送りたかった」と羨む読者も、どちらも満足させる懐の深さがあります。笑いと爽快感、両方ほしい人はぜひ。
まだ読んでいないあなたへ
大学生活って、こんなはずじゃなかったのに。
主人公の北原伊織が夢見ていたのは、海辺の街で送るキラキラしたキャンパスライフ。でも入学初日に足を踏み入れたダイビングショップで待っていたのは、全裸で酒を飲む筋骨隆々の先輩たちだったんです。気づけば自分も服を脱がされ、ウォッカを一気飲みさせられ、翌朝にはとんでもない状態で目覚める。これが伊織の大学生活の幕開けでした。
この作品、タイトルから想像する爽やかな青春ストーリーとは真逆なんですよ。登場人物たちは毎回のように全裸になるし、酒の飲み方は完全に狂ってるし、やることなすこと予測不可能。なのに読んでいて、ものすごく「わかる」んです。大学生特有の、あの謎のテンションとノリと勢い。理不尽なのに断れない先輩後輩の関係。本当は真面目なのに周りに流されて取り返しのつかないことになっていく感覚。全部が妙にリアルで、笑いながら「ああ、こういうのあったな」って思い出すんです。
そして驚くべきことに、この作品には本格的なダイビング描写がちゃんとあるんです。海の中の静寂、光の筋、魚の群れ。バカ騒ぎの合間に挟まれる海中シーンの美しさが、逆に際立つんですよね。伊織たちが本当に海を愛していることが、ふとした瞬間に伝わってくる。この緩急が、ただのギャグ漫画では終わらない深みを生んでいます。
キャラクターの掛け合いも秀逸です。伊織の相方・今村耕平との関係は、友情なのか共依存なのか分からないほど濃密で、二人で窮地に陥る度に責任をなすりつけ合う様子は涙が出るほど笑えます。ヒロインたちも一筋縄ではいかない個性派揃いで、伊織の常識が通用しない場面ばかり。
これは「大学生活の理想と現実」を、最高に面白おかしく描いた作品なんです。読めばきっと、青春って案外こういうもんだよなって、笑いながら納得できると思いますよ。