『【合本版】聖女と呼ばれていましたが "ざまぁ"しちゃってもいいですわよね?』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
次巻発売情報
【合本版】聖女と呼ばれていましたが "ざまぁ"しちゃってもいいですわよね? 第1巻は2月27日(金)発売予定
この作品について
王国の聖女として讃えられていたエリーゼは、ある日突然、婚約者である王子と幼馴染の令嬢に裏切られる。彼女が持つ聖女の力は実は彼らの策略によって利用されていただけで、用済みとなったエリーゼは国外追放を言い渡される。しかし、追放された先で彼女は自分の本当の力に目覚め、自由な生活を手に入れる。一方、エリーゼを失った王国は次第に衰退の道を辿り始める……。
追放系作品の文法を踏襲しながら、本作が優れているのはヒロインの感情描写の解像度だ。坂本鈴は『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』シリーズで定評のある作家だが、ここでは「聖女」という役割に縛られてきた主人公が、自分の感情を取り戻していく過程を丁寧に描いている。単なる復讐譚ではなく、エリーゼが自己肯定感を再構築していく物語として読める。裏切った側の王子たちが没落していく様子も因果応報として気持ちよく描かれているが、それ以上にエリーゼ自身が幸せを掴んでいく過程に重心が置かれている点が好ましい。ライブコミックスらしい読みやすい画面構成で、追放ものの快感をストレートに味わえる作りです。
理不尽な扱いを受けた人間が、正当な評価を得て花開く。このシンプルな構図が、これほど爽快に決まる作品も珍しいでしょう。合本版で一気読みできる今こそ、手に取るべき一作です。
まだ読んでいないあなたへ
「聖女」って呼ばれてる時点で、もう嫌な予感しかしないんですよね。
案の定です。主人公は王子の婚約者でありながら、癒しの力を持つという理由だけで国中から都合よく使われ続けてきた女性なんです。疲弊しきった彼女を労う者は誰もいない。それどころか王子は別の女性に夢中で、周囲も彼女の献身を当然のように受け取るだけ。そんな状況で彼女が下した決断は「もう知りません」。この瞬間から物語が動き出すんです。
何が痛快かって、彼女が復讐に燃える悲劇のヒロインじゃないところなんですよ。怒りも恨みも確かにある。でも一番強いのは「やっと自分のために生きられる」っていう解放感なんです。去り際の彼女の表情を見てください。清々しいまでに吹っ切れてる。読んでるこっちまで肩の荷が下りる思いがします。
一方で元婚約者たちの焦りようといったら。彼女がいなくなって初めて、どれだけ彼女に依存していたか気づくんです。でも遅い。彼女はもう振り返らない。新しい仲間と、誰にも縛られない人生を歩み始めてるんですから。
この作品、「ざまぁ」って銘打ってますけど、本質はそこじゃないんです。大切にされなかった人間が、大切にしてくれる場所を見つけて花開いていく物語なんですよ。彼女の笑顔が本物になっていく過程を、ぜひあなたの目で確かめてほしいんです。
溜め込んでたものを全部吐き出したくなる、そんな一冊です。