『誰もあなたのことなんて』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
次巻発売情報
誰もあなたのことなんて 第1巻は2月27日(金)発売予定
この作品について
主人公・天野まゆは、誰からも注目されず、存在感のない高校生活を送っている。クラスメイトからは名前さえ覚えられず、話しかけても気づかれないこともしばしば。そんな彼女の前に現れたのは、同じく「透明な存在」である同級生の男子・佐々木だった。互いに似た境遇を抱える二人は、次第に距離を縮めていく……。
縛は『終電で帰さない、たった1つの方法』などで知られる作者だが、本作では一転して「存在の希薄さ」という普遍的な孤独を掘り下げている。ライブコミックスから刊行されているこの作品の真骨頂は、単なる「地味系青春ラブコメ」に収まらない構造的な仕掛けにある。まゆと佐々木の関係が深まるにつれ、読者は次第に違和感を覚え始める。彼らの「透明さ」は、本当に単なる性格や立ち位置の問題なのか。物語が進むごとに明らかになる真相は、序盤の印象を一変させるだろう。心理描写の緻密さと、伏線の配置の巧みさが際立つ作品です。
存在を認められないことの痛みと、それでも誰かとつながろうとする切実さが、ページをめくるごとに胸に迫ります。7巻まで刊行されている今、物語の全体像を味わうには絶好のタイミングです。
まだ読んでいないあなたへ
誰もあなたのことなんて、気にしていない。
この言葉を残酷だと思うか、それとも救いだと感じるか。縛が描く『誰もあなたのことなんて』は、その二つの顔を持つ言葉を軸に、人間関係に悩み続ける人たちの心を解きほぐしていく物語なんです。
主人公は、他人の視線に縛られて生きてきた女性。SNSの「いいね」の数で一喜一憂し、誰かの期待に応えようと自分を削り、気づけば本当の自分が何者なのかわからなくなっている。そんな彼女が出会うのは、一見無関心に見えるけれど、実は誰よりも人の心の機微を理解している不思議な存在です。彼が放つ言葉は時に冷たく聞こえるのに、なぜか胸の奥に温かさが残るんですよ。
この作品が凄いのは、誰もが一度は経験したことのある「承認欲求」や「自己肯定感の揺らぎ」を、説教臭くならずに丁寧に掬い上げていくところ。登場人物たちは完璧じゃない。むしろ不器用で、弱くて、時には醜い感情も抱く。でもその不完全さこそが、読んでいる私たちの心に刺さるんです。
7巻まで読み進めると、冒頭で投げかけられた「誰もあなたのことなんて」という言葉の意味が、まるで違って見えてくる。それは呪いじゃなくて、生きるための知恵だったんだと気づかされる瞬間があるんです。
他人の目に怯えて疲れてしまった人にこそ、手に取ってほしい一冊です。