『たぶん最初から恋でした[ボル恋comic]』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
この作品について
高校生の澪は、幼なじみの翔太と「友達以上恋人未満」の関係を続けていた。互いを大切に思いながらも一線を越えられない二人。だが翔太の些細な仕草、視線の温度、言葉の端々に滲む感情に、澪は次第に気づき始める。これは友情なのか、それとも――。
入絵優は少女漫画誌で研鑽を積んできた作家だが、本作ではボルテージの「ボル恋comic」というデジタルレーベルで発表している。この選択が功を奏した。紙の制約から解放された結果、心理描写の密度が格段に上がっている。コマ割りに余白を持たせ、表情の微細な変化を何ページも使って描く。翔太の「好き」という感情が、言葉ではなく仕草の積み重ねで読者に伝わる構造は、デジタル媒体ならではの時間の使い方だ。類似のテーマを扱った作品は多いが、本作は「気づいていく過程」そのものを物語の中心に据えている点で一線を画す。澪の心の揺れを、モノローグに頼らず表情と間で語らせる手腕は確かです。
5巻完結という分量も絶妙で、冗長さがありません。じれったいけれど愛おしい、この距離感をぜひ体感してください。
まだ読んでいないあなたへ
「好きじゃない」って言い切った相手を、気づいたら目で追ってるんです。
友達以上恋人未満の関係って、誰もが一度は経験したことがあるんじゃないでしょうか。この作品の主人公も、幼馴染の彼に対して「恋愛感情はない」と思い込んでいた。でも、些細な仕草や何気ない優しさに心臓が跳ねる瞬間が増えていって。自分の気持ちに気づくまでの過程が、本当に丁寧に描かれているんです。
何がすごいって、彼の「好き」の伝え方なんですよ。派手な告白シーンじゃなくて、日常の中でふと見せる表情とか、言葉にならない間とか。読んでいるこっちが先に「あ、この人本気だ」って気づいちゃう。そのもどかしさが堪らないんです。
恋の始まりって、ドラマチックな出会いじゃなくて、実はもっと静かで繊細なものかもしれない。この作品を読むと、自分の過去を振り返りたくなります。あの時の「これって恋だったのかな」っていう曖昧な感情を、思い出させてくれるんです。
全5巻で完結しているから、週末に一気読みできます。最後のページを閉じた時、胸がじんわり温かくなる。そんな作品です。