幼なじみは不埒な飼い犬』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

次巻発売情報

幼なじみは不埒な飼い犬 第1巻は3月13日(金)発売予定

この作品について

幼なじみという"安全圏"から突如として崩れ落ちる関係性。主人公・楓は、幼馴染の颯太から突然「お前のこと、ずっと好きだった」と告白される。だが、その告白は純粋な恋心というよりも、執着に近い熱量を帯びている。颯太の視線は優しさと支配欲が入り混じり、楓の日常を少しずつ侵食していく……。

鈴木有布子は『囁きは夜に満ちる』などで、恋愛と依存の境界線を描いてきた作家だ。本作もその系譜にあるが、特筆すべきは「幼なじみ」という設定をいかに武器に変えているかという点です。読者は誰しも、幼なじみには特別な親密さと信頼を抱くもの。だからこそ、颯太の行動が「愛情」なのか「束縛」なのか、楓も読者も判断を迷わされる。この曖昧さこそが、本作を単なる溺愛系TL作品から一段引き上げている。シーモアコミックスらしい大胆な描写は健在ながら、心理戦としての緊張感が全編を貫いている点で、同ジャンルの中でも異彩を放つ一作だ。

安心と不安が入り混じるこの感覚、一度味わったら抜け出せません。幼なじみという甘い響きに潜む毒を、ぜひその目で確かめてください。

まだ読んでいないあなたへ

幼なじみって、いつから「男」になるんでしょう。

ずっと隣にいた存在が、ある瞬間から違う顔を見せ始める。甘えてきたはずの犬が、いつの間にか飼い主を狙う獣になっていく——そんな危うい関係性を、鈴木有布子が容赦なく描き切った作品なんです。

主人公は、幼い頃から弟のように可愛がってきた幼なじみに、ある日突然「好きだ」と告白される。でも彼女は戸惑うばかり。だって彼はずっと「弟」だったから。けれど彼の方は、もう何年も前から彼女を女性として見つめていて、その想いは純粋なまま、どんどん歪んで重くなっていくんです。

この作品の凄みは、甘さと怖さが同居しているところ。彼の一途さは確かに愛おしい。でも同時に、その執着が彼女の心をじわじわと追い詰めていく様子が、読んでいてゾクゾクするんですよ。彼女が逃げようとすればするほど、彼は優しい顔で距離を詰めてくる。その駆け引きが、もうたまらなく巧い。

「好き」って言葉が、こんなに重くて甘くて痛いものだったのかと思い知らされます。恋愛の、綺麗事じゃない部分を容赦なく突きつけてくる。それでいて、二人の関係がどこに向かうのか目が離せなくなる。

幼なじみものの、最も危険で美しい一冊です。

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