『種男』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
まだ読んでいないあなたへ
男が種になる漫画なんです。
いや、比喩じゃないんですよ。主人公の佐竹種男は文字通り植物の種に変身して、土に埋められ、水をもらい、芽を出して成長するんです。しかもそれが日常。会社員としての普通の生活と、種としての生活が交互に訪れる。この設定を聞いて「何を言ってるんだ」と思うでしょう? 私もそうでした。でも読んでみたら、これが恐ろしいほど真面目な人間ドラマなんです。
種男は種になっている間、意識はあるけど動けない。ただ土の中で、誰かが水をくれるのを待つしかない。その無力さ、孤独、そして誰かの優しさに触れた時の安堵。この感覚が胸に迫るんです。人間でいる時は平凡なサラリーマンで、特別な才能もない。でも種になった時、彼は誰かに必要とされ、大切に育てられる。この二つの状態を行き来することで、彼は自分の居場所や人との繋がりについて、少しずつ何かを掴んでいくんです。
そして周りの人間たちが、この荒唐無稽な設定を驚くほど自然に受け入れていく過程が素晴らしい。種男を育てる人、種男が人間に戻った時を待つ人。彼らの優しさや戸惑いが、とても丁寧に描かれているんです。
ギャグ漫画だと思って開いたら、気づけば目頭が熱くなっている。そんな体験ができる作品です。騙されたと思って1巻だけ読んでみてください。この世界にしかない温かさが、そこにありますから。
『種男』は間宮聖士による漫画作品。日本文芸社より全3巻で完結済み。