『金色ジャパネスク〜横濱華恋譚〜』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ
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明治の横濱に、こんなに生々しく人が生きていたなんて。
「金色ジャパネスク」は、文明開化の波に揺れる横濱を舞台に、商家の娘・鞠子が異国の匂い漂う街で自分の居場所を探していく物語なんです。でもね、これ、よくある「ハイカラさんが恋をしました」みたいな甘い話じゃないんですよ。鞠子が向き合うのは、家の格式、女の生き方、貧富の差、異国との距離感——時代が大きく動く中で、一人ひとりが抱える痛みと希望なんです。
この作品の凄いところは、登場人物が全員「時代に翻弄される」んじゃなくて「時代を生きている」こと。洋装店で働く職人も、居留地の外国人も、旧家の跡継ぎも、それぞれに譲れないものがあって、それが鞠子の選択と絡み合っていく。誰かを選ぶことは誰かを傷つけること。前に進むことは何かを手放すこと。そういう重さを、この作品は一切ごまかさないんです。
そして横濱の街の描写が圧巻で。石畳の質感、ガス灯の明かり、洋館と長屋が混在する風景——ページをめくるたびに潮風と香辛料の匂いが漂ってくるような気がするんですよ。
5巻で完結する物語だからこそ、無駄がない。一つ一つのエピソードが次の展開への伏線になっていて、最終巻まで読んだとき、すべてが一本の線で繋がる感覚があるんです。
明治という時代を、恋という甘さだけで語らない覚悟。それがこの作品の誠実さであり、美しさなんですよ。
『金色ジャパネスク〜横濱華恋譚〜』は宮坂 香帆による漫画作品。小学館より全5巻で完結済み。
