サイコミ』の最新刊・次巻発売日・全巻情報まとめ

この作品について

「サイコミ」という、漫画アプリを運営するCygamesの編集部を舞台にした作品である。主人公は新人編集者の桜井。漫画編集の仕事に憧れを抱いて入社したものの、現実は理想とはかけ離れていた。担当作家との折衝、アプリのPV数に一喜一憂する日々、そして何より、編集部内の人間関係。上司は癖が強く、同僚たちもそれぞれに一筋縄ではいかない。桜井は戸惑いながらも、漫画を世に送り出すという仕事の意味を探っていく……。

豚箱ゑる子といえば、『監獄学園』のアシスタント経験を持ち、独特のコメディセンスで知られる作家だ。本作では、その持ち味を活かしつつ、デジタル時代の編集現場をリアルに描き出している。注目すべきは、編集者を主人公にした作品でありながら、美談に逃げない姿勢です。桜井が直面するのは、作家のモチベーション管理、アプリ運営という数字との戦い、そして「良い漫画」と「売れる漫画」の狭間で揺れる葛藤。編集部という密室で繰り広げられる人間模様は、時にブラックユーモアを交えながらも、仕事への誠実さを失わない。『重版出来!』や『編集王』が描いた紙の時代とは異なる、デジタルネイティブ世代の編集者像がここにある。Cygames自身が運営するサイコミでの連載という入れ子構造も面白い。

漫画業界の内幕モノは数あれど、ここまで現代の編集現場を等身大で描いた作品は珍しいです。3巻まで刊行された今、桜井の成長を追いかけるには絶好のタイミングですよ。

まだ読んでいないあなたへ

漫画家が、サイコパスに憑依される話です。

主人公は売れない漫画家の女性。ある日突然、彼女の中に"もうひとりの自分"が現れるんです。その正体は、感情を持たず、他人の心を完璧に読み解き、どんな相手でも手のひらで転がせる——サイコパス。憑依されてから、主人公の人生は一変します。編集者を言いくるめ、ライバルを出し抜き、人間関係を思うままに操作していく。でも怖いのは、それが全部「正論」だってことなんです。

サイコパスの囁きは、残酷なほど的確で、誰も反論できない。彼女が指摘する人間の本音、社会の矛盾、漫画業界の闇——全部本当のことだから、読んでいて背筋がゾクゾクするんですよ。「これ言っちゃダメなやつ」を、容赦なく言語化していく。

そして何より恐ろしいのは、読者である私たちまで、いつの間にかサイコパス側の視点に立ってしまうこと。気づけば「このやり方、確かに合理的だな」「主人公、間違ってないよね」って思い始めてる自分がいる。善悪の境界線が、読むたびにぐにゃりと歪んでいくんです。

漫画家という職業を通して、人間の本性をえぐり出す作品。3巻しかないから、一気読みできます。読み終わった後、自分の中の"もうひとりの自分"に気づいてしまうかもしれませんよ。

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